ごあいさつ

むかし、むかし。このあたりの山奥に、爺さまと婆さまが暮らしていました。二人は、いつも「子どもがほしいなぁ」と言い暮らしていました。ある日、二人が山に出掛けると、一匹の手の白い猿が泣いていました。手が白くて、なかまはずれにされて泣いていたのです。「そうか、おやげねえなあ。さあさ、こっち来う」手を出すと白い手の猿は婆さまのふところに飛び込んで来ました。ところが、この小猿と一緒に暮らしているとふしぎなことがおこりました。婆さまに子が生まれたのです。すると手の白い猿はこもり猿になって、爺さま婆さまを助けました。温泉をみつけて猿ヶ京温泉のもとを作りました。「そうさ、婆さまにも赤ん坊がさずかるのだよ。山にはふしぎがいっぱいあるんだよ」この村の爺さま婆さまがこんな話をいっぱいしてくれました。爺さま婆さまは、そのまた爺さま婆さまにそんなお話を聞いたのでした。爺さま婆さまは、家のうら山のたぬきの親子とも顔なじみでした。ちょっとまぬけなカラスも友だちでした。裏山の狐が赤ん坊を産むとお赤飯とお煮しめをお祝いに作ってやりました。

そんな爺さま婆さまたちが、この村にはいっぱいいて、元気に生きていました。わたしたちはそんな爺さま婆さまの、お話をいっぱい聞きました。だから、今度はわたしたちがお話する番になりました。お話をしたり、紙芝居をしたりします。

だから今度はみなさんが聞く番です。さぁ、いっぱいお話や紙芝居するから家まで遊びにおいで。

民話と紙芝居の家 NPOにいはるこども文化塾
代表:持谷 靖子

さるのイラスト

さると子どものイラスト

背中にのるさるのイラスト

猿ヶ京と民話

新潟県との県境、群馬県みなかみ町の猿ヶ京温泉。この土地は、越後(新潟県)から米や塩を持って来る人々と、江戸からそれらを買い付けに来る人々を結ぶ三国街道の宿場として栄えました。商人や三味線を手に唄を歌う盲目の旅芸人などが行き交ったために多くの民話が語り継がれて来たのです。民話と紙芝居の家では、地元に埋もれていた民話を長い時間をかけて集めました。記録した数は500を超えています。また、当館の民話の部屋では、貴重な明治大正生まれの語り部の語りをDVDで聴くことも出来ます。

赤谷川に残る民話「かっぱのくすり」の絵本(写真)

赤谷川に残る民話「かっぱのくすり」。かっぱのカッピーがばあさまに薬の作り方を教えるお話。赤谷川沿いのカッパ公園には、民話にちなんだ「カッパ地蔵」もあります。

猿ヶ京に伝わる「てじろのさる」の絵本(写真)

猿ヶ京に伝わる手の白いお猿さん“てじ”と若夫婦、その赤ん坊のお話「てじろのさる」。このお話の中で登場する温泉が猿ヶ京温泉の始まりだともいわれています。

紙芝居について

絵巻物(竹取物語)、影絵(かっぱのくすり)、のぞきからくり(さるじぞう)などを通して紙芝居の歴史を説明します。戦前の紙芝居を含む約二千点の紙芝居の展示や実演、当館オリジナルの手作り紙芝居の紹介なども行っています。

こでまり活動

毎週土曜日、午前中。地元の小学生が所属する「こでまり」の勉強会では、民話語りや紙芝居実演を通して地域の魅力を伝えています。練習の成果は地元の祭りやイベントで披露しています。

こでまり活動の写真